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🏠 ブレーカーの種類と選び方を徹底解説|MCCB・ELBの違いと選定ポイント

「電気の基礎知識」

家庭やオフィス、工場など、私たちの身近な電気設備を守っているのが「ブレーカー」です。
しかし、「MCCBやELBって何?」「どれを選べばいいの?」と迷う方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、ブレーカーの基本構造から種類の違い、そして選び方までをわかりやすく解説します。
さらに、MCCB(配線用遮断器)とELB(漏電遮断器)の違いも丁寧に説明します。
この記事を読むことで、安全で最適な電気設備選びのポイントが理解できるでしょう。


🔌 ブレーカーとは?役割と基本構造を理解しよう

まずは、ブレーカーの基本を押さえておきましょう。
ブレーカーとは、電気回路を過電流や漏電から守る安全装置です。
異常な電流が流れたとき、自動的に電路を遮断して火災や感電事故を防ぎます。

構造を簡単に言うと、ブレーカーは次の3つの要素から成り立っています。

  1. 接点部 … 電流を通電・遮断する部分
  2. トリップ装置 … 異常電流を感知して遮断を指令する部分
  3. 操作ハンドル … 手動でON/OFFを切り替えるスイッチ

つまり、ブレーカーは「電気の安全弁」として機能しているのです。
この仕組みを理解しておくことで、後ほど紹介するMCCBやELBの違いも理解しやすくなります。


⚙️ ブレーカーの主な種類と特徴【一覧表付き】

次に、ブレーカーの種類を見ていきましょう。
ブレーカーにはさまざまなタイプがありますが、大きく分けて以下の3種類です。

種類名称主な機能使用場所
MCB配線用小型遮断器過電流・短絡保護家庭・小規模施設
MCCB配線用遮断器過電流・短絡保護(高容量対応)工場・商業施設
ELB漏電遮断器漏電+過電流保護一般家庭・事務所

それでは、それぞれの特徴を順に見ていきます。


🔸 MCCB(配線用遮断器)とは?

まずMCCBは、大電流回路を保護するためのブレーカーです。
過電流や短絡(ショート)を検知すると瞬時に遮断し、機器の故障や火災を防ぎます。

そのため、主に工場や商業施設などの高電流を扱う環境で使用されます。
また、容量の大きい負荷にも対応できるため、設備用ブレーカーとして欠かせません。

  • 主な用途:工場・商業ビル・分電盤
  • 特徴:交換式で容量の大きい負荷にも対応
  • 略称:Molded Case Circuit Breaker(モールドケース遮断器)

🔸 ELB(漏電遮断器)とは?

一方で、ELBは漏電を検知して電路を遮断するタイプのブレーカーです。
感電や漏電火災を防ぐことができるため、家庭やオフィスなど安全性を重視する場所に使われます。

また、近年では漏電と過電流を同時に検出できる高機能タイプも増えています。
これにより、より幅広い用途に対応できるようになりました。

  • 主な用途:家庭・オフィス・厨房機器など
  • 特徴:漏電・過電流を両方検出できるタイプも多い
  • 略称:Earth Leakage Breaker(アースリーケージブレーカー)

🔸 MCB(安全ブレーカー)との違い

さらに、家庭でよく使われるMCB(配線用小型遮断器)との違いも押さえておきましょう。
MCBは家庭向けの小型ブレーカーで、MCCBよりも定格電流が小さいのが特徴です。

たとえば、家電や照明などの過電流を防ぐ目的で使われます。
一方、MCCBは高電流用途、ELBは漏電検知を備えた保護用というように、それぞれ役割が異なります。

比較項目MCBMCCBELB
主な保護機能過電流過電流・短絡漏電・過電流
定格電流~63A程度~250A以上~100A程度
主な用途家庭工場・商業施設家庭・事務所
復帰方法レバー操作手動復帰手動復帰

⚡ MCCBとELBの違いをわかりやすく解説

ここからは、MCCBとELBの違いをさらに詳しく見ていきましょう。
両者の**最大の違いは「漏電検知機能の有無」**にあります。

  • MCCB:過電流・短絡のみを検知(漏電は検知しない)
  • ELB:過電流+漏電を検知して遮断

つまり、漏電対策を重視するならELB過負荷対策を重視するならMCCBを選ぶのが基本です。
また、工場や大型施設では「MCCB+漏電リレー」の組み合わせを採用するケースもあります。
これにより、より高精度な保護が可能になります。


🧮 ブレーカーの選び方|容量・用途・設置場所で決めよう

次に、ブレーカーを選ぶ際のポイントを整理しておきましょう。
選定では、「電流容量」「用途」「設置環境」の3つを意識することが大切です。

① 定格電流で選ぶ

まず、使用する電気機器の合計電流を求めます。
その値に1.25倍程度の余裕を持たせた定格電流のブレーカーを選びましょう。
たとえば、総消費電流が20Aなら25Aのブレーカーを選ぶと安心です。

② 用途で選ぶ

次に、設置場所や目的に応じて選びます。

  • 家庭用 → MCBまたはELB
  • 店舗・厨房 → ELB(漏電対策が重要)
  • 工場・設備 → MCCB(高容量対応)

③ 設置環境で選ぶ

さらに、屋外や湿気の多い場所では防水型・耐湿型ELBを選びましょう。
また、分電盤に収める場合は、寸法や配線スペースも考慮する必要があります。


⚠️ ブレーカー選定時の注意点とよくある失敗例

ブレーカー選定を誤ると、思わぬトラブルにつながります。
ここでは、代表的な失敗例を紹介します。

  1. 定格電流が小さすぎる
     → 頻繁に遮断が起こり、機器が安定稼働しない。
  2. 漏電遮断器を省略してしまう
     → 感電事故や漏電火災のリスクが増大。
  3. 定格遮断容量を確認していない
     → 大電流時に遮断できず、機器が破損するおそれ。
  4. 配線サイズとの不一致
     → 過熱や絶縁劣化の原因になる。

したがって、選定時にはメーカーの仕様書やカタログ値を必ず確認しましょう。


🔍 ブレーカーを選ぶ際のおすすめメーカー

最後に、信頼性の高い国内メーカーも紹介します。
たとえば以下のメーカーは、品質・サポートともに優れています。

  • パナソニック(Panasonic)
  • 三菱電機(Mitsubishi Electric)
  • 富士電機(Fuji Electric)
  • 日東工業(NITTO KOGYO)

これらのメーカーは、それぞれ住宅用・業務用など用途に応じたラインナップを豊富に揃えています。
特に、パナソニックは家庭用ELBの種類が充実しており、使いやすさにも定評があります。


🧾 まとめ|MCCB・ELBの違いを理解して最適なブレーカーを選ぼう

まとめると、ブレーカーは電気設備を守るために欠かせない安全装置です。
選び方を誤ると、過負荷や漏電によるトラブルを防げない場合があります。

  • MCCB:過電流・短絡保護(大電流対応)
  • ELB:漏電+過電流保護(家庭・店舗向け)
  • MCB:小型・家庭用の基本ブレーカー

このように、それぞれの特徴を理解したうえで、用途と容量に合った製品を選定することが重要です。
安全で効率的な電気設備運用のために、正しい知識を持ってブレーカーを選びましょう。


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