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家庭の安全を守る!漏電遮断器の仕組みと正しい選び方を図解で解説

「電気の基礎知識」

家庭での電気事故の多くは漏電による感電や火災が原因です。そのため、漏電遮断器(RCCBやELCB)は、家族や家を守る大切な装置となります。さらに、この記事では漏電遮断器の仕組み・選び方に加えて、実際の家庭用配線例まで図解でわかりやすく解説します。


1. 漏電遮断器とは?

漏電遮断器とは、電気が本来通るべき回路から漏れたときに自動で電気を遮断する装置です。したがって、人体への感電や火災を未然に防ぐことができます。

漏電の例

  • 浴室で濡れた手でコンセントを触る
  • 屋外でコードが傷んで地面に電流が流れる
  • 家電の内部で絶縁不良が起こる

つまり、漏電遮断器は、こうした事故を防ぐために家庭では必須です。また、家全体の火災リスクも下げる役割があります。


2. 漏電遮断器の仕組み(図解)

漏電遮断器は、流入電流と流出電流の差を監視することで漏電を検知します。その結果、漏電が起こると自動で電気を遮断します。

    ┌─────────────┐
    │ 電源 (100V/200V) │
    └─────────────┘
           │
           │
        ┌─────┐
        │ 漏電 │ ← 感知
        │ 遮断器│
        └─────┘
           │
           │
    ┌─────────────┐
    │ 家庭・設備機器 │
    └─────────────┘

仕組みのポイント

  1. 電流センサー(コア)
    • L線とN線の「流入と流出」を常に監視
  2. 漏電検知
    • 差が定格漏電電流(例:30mA)を超えると漏電と判断
  3. 自動遮断
    • 電磁機構で回路を瞬時に遮断し、感電や火災を防ぐ

さらに、漏電遮断器は人体保護だけでなく、家庭の火災リスク軽減にも寄与します。


3. 漏電遮断器の種類

種類特徴使用例
住宅用(ELCB/RCCB)漏電のみを検知家庭全体、キッチン、浴室
漏電・過電流兼用漏電+過電流保護分電盤の一部回路
高感度型10mA以下で遮断医療機器や特定作業場

このように、用途に応じて適切な種類を選ぶことが安全確保には欠かせません。


4. 家庭での漏電遮断器の選び方

家庭用漏電遮断器を選ぶときは、定格漏電電流・定格電流・設置場所・回路の種類に注意する必要があります。

① 定格漏電電流(感度)

  • 一般住宅:30mA(人体保護)
  • 高感度作業場:10mA

② 定格電流

  • 回路の最大電流に合わせて選ぶ
    例:15A、20A、30A

③ 設置場所

  • 浴室・キッチン:必須
  • 屋外コンセント:推奨

④ 単相・三相

  • 家庭:単相
  • 工場や大型設備:三相

つまり、これらの条件に合った製品を選ぶことで、より安全な家庭環境を作ることができます。また、設置後の定期点検も欠かせません。


家庭用の目安図

[家庭用30A 30mA]
    ┌──────────────┐
    │ 住宅分電盤    │
    │ 漏電遮断器   │
    │ 30mA / 30A   │
    └──────────────┘
       │
   ┌─────┐ ┌─────┐
   │ キッチン│ │ 浴室  │
   └─────┘ └─────┘

さらに、湿気の多い水回り回路は、特にRCCBで保護することが重要です。


5. 家庭用配線例(実際の接続イメージ)

5-1. 単相2線(100V)の配線例

家庭の標準的な100V回路の配線です。

    [電力会社]
         │
       ┌─────┐
       │  分電盤 │
       │(メインブレーカー)│
       └─────┘
         │
      ┌─────────┐
      │ 漏電遮断器 │
      │ 30mA / 30A │
      └─────────┘
         │
 ┌─────────────┬─────────────┐
 │ 分岐ブレーカーA │ 分岐ブレーカーB │
 │(キッチン)    │(浴室)        │
 └─────────────┴─────────────┘
      │                  │
 ┌─────────┐       ┌─────────┐
 │ キッチン設備 │   │ 浴室設備 │
 └─────────┘       └─────────┘

ポイント

  • L(ライブ線)とN(ニュートラル線)がRCCBを通る
  • 差動電流を監視し、漏電時は即遮断
  • 各分岐ブレーカーで個別回路を制御

また、水回りや湿気の多い回路は、特にRCCB設置が重要です。


5-2. 単相200V(2線+N)の配線例

IHクッキングヒーターやエアコンなど200V機器の場合です。

   電力会社
       │
   ┌──────────┐
   │ メインブレーカー │
   └──────────┘
       │
 ┌───────────────┐
 │ 漏電遮断器 (RCCB)│
 │ 30mA / 40A       │
 └───────────────┘
   │           │
  L1           L2
   │           │
 ┌───┐       ┌───┐
 │IH │       │エアコン│
 └───┘       └───┘

ポイント

  • 2本のライブ線(L1, L2)とニュートラル線がRCCBを通る
  • どちらかで漏電があれば即遮断
  • 専用回路+漏電遮断器が基本

さらに、200V回路は高電力を扱うため、適切なRCCB選定が安全の鍵となります。


6. まとめ

  • 漏電遮断器は家庭の安全を守る命綱です
  • 湿気の多い場所や屋外回路は必ず設置
  • 定格電流・漏電感度・回路に合った製品を選ぶ
  • メインブレーカー+RCCB+分岐ブレーカーの組み合わせが安全

したがって、漏電遮断器を正しく理解し、適切に設置することで、家庭の感電・火災リスクを大幅に減らせます。また、定期点検を行うことで、より安全性を高めることができます。

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