家庭の電気設備の要となる分電盤。正しい知識と安全チェックの習慣が、火災や感電を防ぐポイントです。そこで本記事では、家庭用分電盤の構成と、電気工事士推奨の安全チェック方法をわかりやすく解説します。
1. 家庭用分電盤の基本構成
家庭の分電盤は、大きく以下の4つの要素で構成されています。まずはそれぞれの役割を理解しましょう。
1-1. メインブレーカー(主幹ブレーカー)
- 家全体の電源を一括で遮断します。
- 契約電流に応じて30A~60Aなどが一般的です。
- そのため、過電流や漏電で落ちる場合は異常のサインです。
1-2. 分岐ブレーカー
- 各回路ごとに電気を分配します。
- 過電流から機器や配線を保護します。
- 例えば、単極ブレーカーは100V用、2極ブレーカーは200V用です。
- また、漏電ブレーカー一体型もあります。
1-3. 漏電遮断器(ELB / RCD)
- 漏電による感電や火災を防止します。
- 家庭用は30mAで感度設定されています。
- さらに重要なことに、水回り回路への設置は必須です。
1-4. 接地端子・中性線ターミナル
- 配線を整理し、安全に接地します。
- つまり、金属筐体も接地されていることが安全上重要です。
2. 家庭用分電盤の安全チェック方法
分電盤は目視だけでは異常を発見できない場合があります。そこで定期的な安全チェックが大切です。
2-1. 目視チェック
- ケースの破損や変色、焦げ跡の有無を確認します。
- ブレーカーのつまみが正常位置かチェックします。
- また、水や湿気の侵入がないかも確認してください。
2-2. 操作チェック
- メインブレーカーON/OFF:全体停電テストを行います。
- 分岐ブレーカーON/OFF:回路ごとの操作確認を行います。
- さらに、漏電遮断器のテストボタンを押して遮断するか確認します。
2-3. 過負荷・漏電の兆候
- 頻繁にブレーカーが落ちる場合は要注意です。
- ケーブルが熱くなる場合は過負荷の可能性があります。
- そのため、漏電ブレーカーが頻繁に落ちる場合は漏電の可能性を疑います。
2-4. 専門機器での確認
- **絶縁抵抗計(メガー)**で配線の絶縁状態を測定します。
- 電流測定器で回路ごとの電流を確認します。
- ただし、これらの作業は電気工事士資格者が行うのが安全です。
3. 家庭用分電盤の図解イメージ
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│ メインブレーカー │
│ (主幹) │
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│ 漏電遮断器 │ │ 漏電遮断器 │
│ 30mA │ │ 30mA │
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┌────┴─────┐ ┌────┴─────┐
│ 分岐ブレーカー │ │ 分岐ブレーカー │
│ 照明 10A │ │ コンセント 15A │
└─────────┘ └─────────┘
│ │
照明回路 コンセント回路
4. 安全に分電盤を扱うポイント
- 作業前に必ずメインブレーカーをOFFにします。
- 濡れた手や工具で触らないでください。
- 古い分電盤やブレーカーは定期交換が必要です。
- そのため、自信がない場合は必ず電気工事士に依頼してください。
💡ポイント:家庭では水回り回路の漏電遮断器設置は必須です。さらに、200V回路(エアコン・IH)は2極ブレーカーが必要です。
まとめ
- 分電盤は「電気の分配」と「安全保護」の両方を担う重要装置です。
- メインブレーカー、分岐ブレーカー、漏電遮断器、接地端子が基本構成です。
- 定期的な目視・操作・専門機器チェックで家庭の安全を守れます。
- 内部作業は資格者に依頼することが最も安全です。
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